マネジメント

「職人という選択」(登録番号:SL17-X03-086)

この春、本格的な職人志願者を募集する告知が話題になっていましたがご記憶 でしょうか。

三重県伊勢市の伝統漆器「伊勢春慶」の保存と再生に取り組む市民グループ が、漆を塗る職人「塗師」の養成講座を開いたものです。応募者から選ばれた 40〜50歳代の男女7人が、4月から基礎技術を学び、つい先日「塗師見習い」 として認定されました。

「伊勢春慶」は、江戸時代から作られていた県指定伝統工芸品ですが戦後に 衰退、平成16年に有志による市民グループが設立され、技術の継承、新商品の 開発などを手掛けているそうです。伝統工芸品産業については、全般的に生活 様式の変化や少子高齢化、大量生産や安価な輸入品の増加等によって需要が 低迷し、企業数・従事者数ともに減少を続けています。

少し旧いデータで恐縮ですが、経済産業省によると伝統工芸品産業の平成21年 度生産額は約1,281億円(前年比約13%減)で、昭和50年代のピーク時の 約4分の1。企業数は15,100件、従事者数は昭和50年代の約3分の1となる 79,000人に減少しているとか。

一方で、「国民の生活に豊かさと潤いを与える」(伝統工芸品産業の振興に 関する法律第一条より)役割や、ものづくりの魅力が見直されてきています。 職人といえば弟子入りという印象が強かった時代とは異なり、「伊勢春慶」 のような講座や職人養成学校といった動きはほかにも出てきているようです。 前述の講座を修了した塗師見習いのみなさんは、目下経験を積まれている ところで、数年かけて「塗師」を目指すそうです。伝統をつなぐには一朝一夕 にはいかない点も、後継者を志す人を魅了しているようです。